1. この痛みはなんですか?

最初は肩こりのひどいのかな?と思っていて、四十肩、五十肩などと病院で言われ、 放っておけば治ると思われている肩の痛みの正式名称は【肩関節周囲炎】。夜間痛、結帯結髪動作不可(フローズンショルダー)などが特徴で、あっという間に治る 軽い方もいれば、夜間痛がひどく救急車を呼んだ方もいらっしゃいました。また、「わたしは80歳だから八十肩だわ!」や「もう5年も痛くて腕が上がらない!」 などなど。使い方にもよるでしょうが、肩は4〜50年くらいでメンテナスが必要ということでしょうか。 因みに膝は60年の寿命と聞きます。

なぜ夜、布団に入ると痛いのでしょうか。身体も静かになって痛みが目立つというのもあるのでしょうが、痛いがために日中あまり肩を動かさなくなるために、布団に入ってから肩の血流障害がおこり浮腫んでくるからだと思われます。血流改善する寝方、肩の位置は良肢位とも言われ、 外側(外転)に70°~80°前側(屈曲)に30°位脇をあけた、 ちょうど抱き枕を抱えている横向き姿勢が楽と思われます。

2. どう治すのですか?

まずこのフローズンショルダーを作らない、重症化させないよう予防することが大事です。統計的に肩こりの強い方は発症のリスクが高いようです。
そのような方々に肩こりのマッサージや運動療法(カープの前田体操など動的ストレッチ)を加療し、肩の血流障害を治します。

しかしなってしまったら、第一期急性期(夜間痛が強い時期)は冷やします。第二期亜急性期(自発痛なし)からよくマッサージと軽めのリハビリを始めます。そして第三期 (肩が完全に固まった時期)からリハビリとインナーマッスルトレーニングをより強く 始めていきます。私たちのトレーニングは、題して『empty can exercise』。両手に持ったコーラ缶の中身を外に流しだすイメージの体操運動です。

両手を広げて前にこぼすように逆さまになるまで缶を捻り、次に後ろにこぼします(図1)。 

そして今度は前にならえの様にまっすぐ伸ばした腕を内側と外側に捻り中身をこぼします (図2)。これを1日に20~30回ずつ出来る範囲で頑張ります。

年齢に関係なく、ある動作で肩が痛い(インピンジメントsyn.や軽度な石灰沈着)などの症状も 運動療法とトレーニングが有効と思われます。

施術例
症状により冷やす(温める) → 血行改善マッサージ→ 運動療法(動的ストレッチ)→ リハビリエクササイズ → 東洋医学的アプローチ(鍼灸など)で再発防止